==== Text encoding : UTF-8 ==== Mussorgsky : Gnomus (”Pictures at an Exhibition”) ムソルグスキー:こびと (組曲『展覧会の絵』より)  『展覧会の絵』は、ロシアの作曲家ムソルグスキーが、夭逝した親友ハルトマンの遺作展に着想を得て作曲した組曲です。いくつかの「プロムナード」と、それぞれ絵をモチーフにした10の曲から構成されています。  原題のGnomus(ノーム)というのは、こびとの外見をした大地の精霊のことです。 [B] 1 L.H.(レフト・ハンド)は、右手のピッキングを伴わずに左手だけで音を出すことを表します。左手の動作そのものは、ハンマリング・オンと同じです。 [C] 2 上パートがL.H.(レフト・ハンド)、下パートがh.(ハンマリング・オン)です。左手の動作自体は、[1]と同様にどちらもハンマリング・オンと同じです(直前で右手がその弦を弾いているかどうか…による違い)。[D]1〜2小節目も同様です。 [F]  [F]は、棒・旗が上向きの音符は右手のみで、下向きの音符は左手のみで音を出します。ただし、一番最初の音(6弦開放・D音)のみ、右手でピッキングします。  まず左手から詳しく見ていきましょう。トリル(tr.〜)は、楽譜に記された2つの装飾音符(小さい音符)を、ハンマリング・オンとプリング・オフによって連続して鳴らす事を表します。例えば1小節目では、最初に6弦開放・D音をピッキングした後、人差指で2フレット・E音をハンマリング・オンし、続いてプリング・オフすることで開放・D音を鳴らします。これを1動作とし、繰り返していきます。G#dimへの移行時は、2フレットを押さえた人差指をグリス・アップ(g.u.)して6フレット・G#音まで移動させ、中指で7フレット・A音をハンマリング・オンし、続いて6フレットへプリング・オフ、これを繰り返します(6フレットは離しません)。3小節目で初めてG#dimを弾く際には、6フレットへグリス・アップした後、改めて最初の6フレットをハンマリング・オンして音をしっかり出していますが、右手のフレーズが加わる5小節目以降では、煩雑になるのを避けるため、すぐにトリルしています。最後の小節だけ形が変わり、直前の小節の最後で5弦のロー・ポジション(1〜3フレットあたり)を人差指で押さえたあと、すぐに11フレット・G#音までグリス・アップし、中指で12フレット・A音をハンマリング・オン〜プリング・オフします(ここも11フレットは押さえたまま)。  一方の右手は、人差指の指頭を使って記譜された音を押さえていきます(写真1/ネックの両サイドに親指と中指を添えると、狙いが安定しやすいでしょう)。 <写真1>  また押弦時に、押さえたポジションのヘッド側の弦が鳴ってしまうこともありますので、余力があればトリルしている左手指の付け根や左手小指などで弦に触れて、消音するとよいでしょう(写真2)。 <写真2>  15〜16小節目は左手と右手が交差しますので、ここは指頭を使うのではなく、5〜6弦を部分セーハするような形の方が押さえやすいでしょう(写真3/6弦は右手より高いポジションを左手がトリルのために押さえているので、右手の音は出ません)。 <写真3> [G] 3 押弦したポジションの12フレット上を右手で叩いて、ハーモニクスを出します(T.Harm.:タッピング・ハーモニクス)。主に2弦を狙い、1つ目は2弦15フレットと6弦17フレットを結ぶ直線上を叩き、2つ目は2弦16フレットと6弦17フレットを結ぶ直線上を叩きます(写真4)。2弦のハーモニクスがしっかり出ていれば、低音弦は実音で構いません。鳴らしたくない1弦は、3フレットを部分セーハした左手人差指で触れて消音します。同様に5弦は、6弦を押さえた左手薬指で触れて消音します。 <写真4> 【音源】BSVD7062a 【録音日】2007年10月3日 【使用ギター】モーリス S-121sp 南澤大介カスタム 【使用弦】John Pearse #736