私がさまざまなミュージシャンのクリスマス・ソングやクリスマス・アルバムを集め始めたのは、もともとクリスマスが好きだったことと、「編曲の妙」が楽しめるからだった。「きよしこの夜」や「ホワイト・クリスマス」などのクリスマス・スタンダードはいろんなミュージシャンがとりあげているので、同じ曲を異なった編曲で聞くことが出来、ちょっと勉強にもなるかなという気持ちが、私をしてクリスマス・ソングの収集へと走らせたのである。 LPの頃から買い集めて早幾年月、現在私の手元のクリスマス関連CDは300枚弱。本格的なコレクターの方よりはやはり少ないだろううが、自分の手持ちの全CDに対する割合はけっこうなものだったりする(ざっと見て1/4くらいがクリスマスアルバム)。でもなかなか「当たり」は少ない。困ったものである。 では、なぜ買い続けるのか。マイナーなミュージシャンのクリスマス・アルバムや、複数のミュージシャンによるオムニバスアルバムは、発売された年に買わないと、翌年のクリスマスにはもうどこにも無い、ということがよくある。だから、「見かけたら買う」というのがセオリーなのである。しかも、そういう名の知れないアルバムに名曲が隠れていることが多い。よって、その数は増えていく。 「聞く」ことより「買い集める」ことに目的がすり変わってしまった時点で、それは立派にもう「コレクター」の始まりである。私も毎年20枚くらいはCDを買い集めるため、じっくり聞いていないCDがたまっていく。とほほである。 これでも今年は押さえめで、12月1日現在で11枚。普段の年ならもっと買い込んでいる。だが、まだクリスマスまで1月足らず残っているのだ。ふと目覚めるとレコード店前に居て、ふらふらとクリスマス・アルバムを買い込んでくる、なんていう日が来ないとも限らない。ああ怖い。(98.12.01) |
その曲は、「クリスマス・タイム・イズ・ヒア」。これはスヌーピーのアニメ「チャーリー・プラウンのクリスマス」のサウンドトラックとして作られたもので、ジャズ・ピアニストの故・ヴィンス・ガラルディと、スヌーピーアニメのプロデューサーであるリー・メンデルソンのペンによるジャジィな名曲。以前はかなりマイナーな曲だったのだが(それ故「探す楽しみ」があり、また基準にしやすかった)、GRPというジャズ/フュージョンレーベルのオムニバスに収録されたあたりから徐々に知名度を上げていき、最近ではけっこう多くのミュージシャンが取り上げるようになっている。 個人的に選ぶこの曲の名演は、『チャーリー・ブラウンのクリスマス』オリジナル・サウンドトラック又は『Charlie Brown's Holiday Hits』に収録されている(同じテイクです)、ヴィンス・ガラルディ自身によるものと、前出のGRPレーベル『A GRP Christmas Collection』もしくは『Happy Anniversary, Charlie Brown』に収録されている(同じテイクです)、パティ・オースティンによるものが特にお気に入り。今年発売されたクリスマス・アルバムでも、2、5、8、14(No.は「今年購入したクリスマス・アルバム・リスト」のものです)でとり上げられており、だんだんメジャーになっているようである。 ちなみにこのコラムのタイトルもそこからつけています。 他に特に好きな曲といえば、「ザ・クリスマス・ソング」、「メリー・リトル・クリスマス(Have Yourself a Merry Little Christmas)」あたり。このへんが収録されていると、ほぼ迷わず買ってしまう私であった。(98.12.02) |