==== Text encoding : UTF-8 ==== Etude #11 エチュード #11  ストリング・ヒットやボディ・ヒット、タッピング・ハーモニクスなど、打音によるソロ・ギター・スタイルのためのエチュードです。 [A] [1] ×はストリング・ヒットです。右手の指先によって弦を叩き、その指を弦に乗せる奏法です。次に弾く6弦を右手親指で叩くことで、ピッキングの準備を兼ねています(ピッキングするまで、指は弦に乗せておきます)。ここの場合、叩くのはベース音のみで、2〜3弦を止めてしまわないように気をつけましょう。 [2] [1]と同じく、右手親指によるストリング・ヒットです。叩くのは5弦ですが、6弦も一緒に叩いてしまって構いません。ただし次に弾くのが5弦なので、親指の指頭が5弦に来るようにして、次のピッキングの準備を兼ねられるようにしておくとよいでしょう。 写真1 [3] 1弦を右手薬指、2弦を中指、3弦を人差指、そして5弦を親指でストリング・ヒットしています。ただし薬指は、次でピッキングしません。また、親指以外の指によるストリング・ヒットは打音が鳴りにくいので、カチッという打音を大きく出したい場合は、親指を強めに叩くとよいでしょう。 写真2 [4] ベース音は、次に弾くのが6弦(次の小節です)なので、それまで弾いていた5弦ではなく、6弦を叩くようにします。ただし、6弦だけでは5弦開放・A音が伸びたままになりますので、ストリング・ヒットと同時に左手の空いた指などで5弦を消音します。あるいはこの時点で次の6弦3フレットを薬指で押さえ、その指の腹で5弦に触れて消音してもよいでしょう。別の方法として、ストリング・ヒット自体は5弦を叩き、その次の6弦を弾く動きを切り離して考える(わざと準備を兼ねない)こともできます。 [5] 右手で弦を叩いてハーモニクスを出す、タッピング・ハーモニクスです。右手は、1弦12フレット〜6弦15フレットを結んだライン上あたりの全弦を叩きます(フレットに対して斜めに叩くことになります)。左手はCmaj7を押さえますが、6弦は親指でネックを握り込み、消音しておきます。 写真3 ↓ 写真4 ↓ 写真5 [B] [6] ×はボディ・ヒットで、ギターのボディを叩くことによって打音を出します。どこを叩いても構わないのですが、音源ではギター表板を、右手の爪の先で小指、薬指、中指、人差指の順に軽く叩いています。 写真6 ↓ 写真7 ↓ 写真8 ↓ 写真9 [7] +はパームです。これはボディ・ヒットの一種で、右手の手首あたりでギターの表板を叩き、低い打音を出しています。 写真10 写真11 ▲パームでは、このあたりを当てます。 [8] ここの×も[6]と同様、ボディ・ヒットです。こちらもどこを叩いてもよいのですが、音源ではギター表板を右手親指の側面で叩いて、スネア・ドラムのようなアクセントを出しています。 写真12 [9] まず[5]と同じようにCmaj7をタッピング・ハーモニクスした後、左手で押さえていた4弦と5弦をプリング・オフします。そして、Gを押さえると同時に全弦の15フレットを叩いて、再度タッピング・ハーモニクスを出します(これは[5]と違い、フレットと並行に叩いています)。この時1弦は、2弦を押さえた左手小指で触れるなどして、消音しておきます。 [10] ボディ・ヒットとパームは、前の2小節と同じです(次の2小節も、同じパターンです)。 [11] まず[9]の最後と同じようにGをタッピング・ハーモニクスした後、左手で押さえていた2弦をプリング・オフします。そしてCmaj7を押さえると同時に[5]と同じように斜めに叩いて、タッピング・ハーモニクスを出します。 [12] タンボーラは、フラメンコで用いられる奏法です。右手の親指側面でギターのブリッジを叩くことで、打音といっしょに少し柔らかい音で全弦の実音が鳴ります。左手は、Gを押さえたままです。 写真13 ↓ 写真14 ↓ 写真15 ※このエチュードは、CD付き書籍『はじめてのソロ・ギター入門』(ドリーム・ミュージック・ファクトリー刊)に収録してあるものと同じ曲です。