==== Text encoding : UTF-8 ==== Etude #14 エチュード #14  ストロークを中心に、スラムやプルなど、いくつかの特殊奏法も使った練習曲です。ストロークのエチュードである#9(別売)よりも難易度が高いので、じっくりと取り組んでいただけたら…と思います。  ストロークは、基本的には全弦を狙って行いますが、たとえば[A]冒頭の1、6弦など、TAB譜に記されていない弦は音を出したくない弦ですので、左手の空いた指や押弦指の腹などで触れるか、1弦であれば右手薬指、6弦であれば右手親指を弦に乗せるなどして、消音するようにします。  メロディを伸ばして、伴奏だけをストロークで弾く箇所([A]1小節目後半など)は、メロディ弦にストロークを当てないようにしながら、だいたい指定された弦あたりを狙って弾きます。  長方形で囲われた縦長のXはスラムで、指板のサウンド・ホール端あたりを右手指で叩いて、音を止めると同時に打音を出す奏法です。このエチュードでは1~6弦を叩く箇所と、4~6弦のみを叩く箇所がありますが、それぞれ厳密なものではありませんので、だいたい全弦あたり、だいたい低音弦あたり、を叩けばよいでしょう。  スラム時は弦を叩いた後、そのまま指を弦に乗せておき、直後にアップ・ストロークする際はその指をひっかけるようにして行います。アップ・ストローク時にメロディを弾くような箇所では、スラム時にメロディ弦近辺を叩くことになる右手薬指をしっかりはじいて、メロディが目立つようにします。 [A] [1] Amでは、(メロディより高い弦と、それに加えて)6弦を消音します。ただし、6弦開放・E音はAmというコードの中に有る音ですので、鳴ってしまってもそれほど問題はありません。[C]1小節目や、[C]<カッコ2> 2小節目のAmの6弦も、考え方は同じです。 [2] Dm(onA)では、(メロディより高い弦に加えて)6弦を消音します。こちらは[1]と異なり、6弦開放・E音はコードの中に無い音ですので、しっかり消音します。[C]<カッコ1>1小節目や3小節目、[C]<カッコ2.>1小節目のDm(onA)の6弦も、考え方は同じです。 [3] Gでは、(メロディより高い弦に加えて)5弦を消音します。6弦を押さえた左手薬指の腹で触り、音を止めるとよいでしょう。 [B] [4] 波線矢印とRas.が付記されたコードは、ラスゲアドで弾きます。ラスゲアドは、ストローク時に左手小指、薬指、中指、人差指の順に少しだけ時間差を付けて、じゃらららーんと弾き下ろす奏法です。 [5] 楽譜下側に付記された+は、パームです。右手首で、サウンド・ホールの上あたりを叩いて、低い打音を出します。符尾が付いていませんが、2拍目と4拍目で打っています。 [6] タッピング・ハーモニクスです。右手で全弦12フレットを叩き、ハーモニクスを出します。2拍目ウラも同様です。 [7] ここは、右手で低音弦を叩いて打音を出しています(R.H.T.:ライト・ハンド・タッピング)。動作や叩く位置はスラムと同じですが、叩いた後は弦に指を置かず、叩いてすぐに離しています。また、この時左手は全弦に触れておきます。直後にもE7のタッピング・ハーモニクスがありますので、左手はE7を押さえたまま、空いた薬指や小指などで全弦に触れるとよいでしょう。 [8] 縦長のXはブラッシングです。左手で全弦に触れてミュートしておき、右手で低音弦をストロークします。 [C] [9] もしフォーム・チェンジが間に合わなければ、6弦は押さえずに省略し、1~3弦(または1~4弦)だけをストロークしてもよいでしょう。 [10] Cmaj7では、6弦を消音します。ただし、6弦開放・E音はCmaj7というコードの中に有る音ですので、鳴ってしまってもそれほど問題はありません。 [11] F(onA)では、6弦を消音します。こちらは[1]などと異なり、6弦開放・E音はコードの中に無い音ですので、しっかり消音します。また2弦は、3弦を押さえた左手薬指の腹で触れて、消音します。 [12] 5弦は音を出したくないので、4弦6フレット・G#音を押さえた左手人差指の先で触れて、消音します。6弦は、鳴ってしまっても構いません。 [13] 左手を離して全弦開放にし、2~4弦を右手で軽くストロークします。隣の、1弦や5弦が多少鳴ってしまっても構いません。 [14] 符頭が×の音符はストリング・ヒットです。右手親指で弦を叩きつつ、指を弦に乗せます。次の、TAB譜下に「>」が付記された箇所はプルです。直前のストリング・ヒットで乗せた右手親指を引っ掛けるようにして、弦を引っ張ってはじきます。次の長方形はレフト・ハンド(L.H.)です。左手指で全弦を叩き、そのまま弦に触れておきます。叩く場所が1箇所(指1本)だと、位置によってはハーモニクスが鳴ってしまうので、指2本以上、可能なら人差指~小指の4本で、4~6フレットあたりを叩くとよいでしょう。弦に触れた状態の左手は、直後のストリング・ヒット時は触れたままで構いませんが、その次…2回目のプル時には離します。 【音源】BSVD9838a 【録音日】2019年8月27日 【使用ギター】James AC/DM 南澤大介シグネチャー 【使用弦】Wyres CP1456M