==== Text encoding : UTF-8 ==== Summer Passes On 過ぎさりし夏  2016年8月25日録音。使用ギターはtupliのアルゴ(カッタウェイ)#074、弦はWyres南澤シグネチャーです。  もともとは、友人の水野ノブヨシ(Rita iota)とのユニットであるSol Vento e Marのアルバム『Sol, Vento, e Mar』(1996年発表)のために書き下ろしたもので、ピアノを中心にシンセサイザーを加えたアンサンブルでした。その後、1999年にリリースした『Piano Solos 2』にも、ピアノ・ソロ・ヴァージョンを収録しています。  チューニングはドロップDで、2フレットの2〜6弦にカポを付けています(写真1)。カポは1弦を空けておかなければならないのですが、片側から止める形であれば普通のカポが使えます(5本の弦だけを押さえる専用のカポも市販されていますし、バンジョー用のカポを使っても同じ事ができます)。ちなみに私はshubb社製の、普通の6弦用カポを使用しています。 写真1  TAB譜で1弦0フレットと記された部分([A]1小節目など)は開放弦を表し、そのまま押さえずに1弦を弾きます。□で囲まれた1弦0フレット([A]2小節目の最後など)は、開放弦を弾くのではなく0フレット(2フレットカポと同じフレット位置)の、空いている1弦を押弦します(写真2)。 写真2  全体としてややルバート気味に、自由なテンポで弾きましょう。[A]ではメロディを消音せず、逆にできるだけ残して、響かせています。 [A] [1] 運指の都合から、一般的なロー・ポジションのCmaj7とは違う指を使って押弦しています。難しいようなら、5弦3フレット・C音は左手薬指、4弦2フレット・E音は左手中指で押さえ、3弦2フレット・A音と1弦0フレット・E音は左手人差指を移動することで押さえてもよいでしょう。 [2] 左手をかなり開くフォームです。難しい場合は、6弦5フレット・G音を左手小指で押さえてもよいでしょう。 [3] 次の運指の都合から、1弦2フレット・F#音は左手薬指で押さえます。ちなみにこの小節の中ほどで、ここと同じ1弦2fを押さえていますが、そちらでは左手中指を使っています。 [4] この音は1回目と2回目(リピート時)のみ弾き、3回目(ダ・カーポ時)は弾いていません。ただし、本質的な違いではありませんので、どちらか弾きやすい方に統一していただいて構いません。 [B] [5] 1弦5f・A音は、2弦を弾く時も押さえたままにしています。難しい場合は、離しても構いません。 [6] 小節前半のEmとは違って、1弦5f・A音を押さえた左手人差指は、運指の都合から押さえたままにせず、2弦に移動しています。最後の2弦10f・A音は、次のCmaj7のフォームに移行しやすいよう、左手小指で押さえています。 [7] 直前のEm7(onD)で弾いたベース音の4弦開放・D音は、できれば残したくないので、右手の空いた指を乗せるなどして消音するとよいでしょう(筆者は4弦に右手人差指を乗せて、響きを止めています)。2弦10f・A音を押さえた左手中指は、3弦を弾く時も押さえたままにしています(難しい場合は、離しても構いません)。 [8] 次のCmaj7のフォームの違いから、[B]1小節目とは押さえる指とポジションが異なります。 [9] 1弦7f・B音(左手人差指)と6弦10f・C音(左手薬指)を押さえたまま、左手中指でハーモニクス・ポイントに触れて、ハーモニクスを弾きます。 [10] 1弦5f・A音を押さえたまま、左手薬指でハーモニクス・ポイントに触れて、ハーモニクスを弾きます。 [C]  コードは、ほぼクイック・アルペジオで弾きますが、2小節目後半のEm7(9)のみ、柔らかくダウン・ストロークしています。 [11] ここまで演奏したら、曲の冒頭に戻ります(ダ・カーポ)。そして[A]を1度繰り返し、2回目の8小節目が終わったところでCodaへ跳びます。