==== Text encoding : UTF-8 ==== Beethoven : Pathetique ベートーヴェン:悲愴  ベートーヴェンが32曲残したピアノ・ソナタのうちの第8番で、後に彼から聴覚を奪う耳の病が既に始まっていたと言われる、28歳の頃に作曲されました。タイトルである“Pathétique(悲愴)”はベートーヴェン自身の命名ですが、邦題の“悲愴”とは若干ニュアンスが異なり、原題の語感としては“情熱”とか“感動”という意味合いが強いようです。本楽譜では、美しく優しいメロディが有名な第2楽章をアレンジしています。 [A] [1] メロディを弾くために、伴奏の4〜5弦を押さえていた左手指は離しますが、6弦開放・D音は止めずに響かせておきます。 [2] 楽譜上では記していませんが、5弦3フレット・C音と4弦開放・D音が同時に鳴ると、音域が低いため濁りやすいので、筆者は左手中指を離すなどして消音し、音が重ならないようにしています(6弦5フレット・G音は押さえたまま鳴らし続けておきます)。[E]<カッコ1>も同様です。 [B] [3] 余力があれば、4弦2フレット・E音を押さえておくとよいでしょう。ただし、2弦のプリング・オフ〜ハンマリング・オンによるフレーズなどが難しくなりますので、無理に押さえる必要はありません。 [4] 4弦2フレット・E音を押さえた左手人差指は、4フレット・F#音を左手薬指で押さえる時も離さず、演奏の軸として使います。 [5] 音符が左右にずれていますが、3〜5弦開放は、小節の最初で同時に弾きます(正確に言えば、クイック・アルペジオですので少しだけ5→4→3弦の順に時間差が付きます)。メロディは4弦ですが、伴奏よりも強く弾くのは難しいので、強弱は気にしなくてよいでしょう。ただし、続くメロディの6弦11フレット・C#音を弾く時に音が残っていると響きが汚くなるので、6弦を弾く時にできれば右手で4弦を消音しましょう。または、4弦開放の代わりに6弦12フレットでメロディを弾いてもよいでしょう。 【音源】BSVD7030a 【録音日】2020年5月10日 【使用ギター】モーリスS-131M 南澤大介シグネチャー 【使用弦】Wyres CP1456M 【カポタスト】スタカポ SNAP47Bi-Rev5