==== Text encoding : UTF-8 ==== Stroll (from “My Neighbor Totoro”) さんぽ (「となりのトトロ」より)  サツキとメイの姉妹が、森に住むおばけのトトロと仲良しになって思いがけない冒険をする、アニメーション映画『となりのトトロ』。今や国民的なアニメ監督である宮崎駿氏(『千と千尋の神隠し』『風の谷のナウシカ』ほか)が原作、脚本、監督をつとめています。この2年前に公開された宮崎駿監督作品『天空の城ラピュタ』や、『ナウシカ』のような冒険活劇ではありませんが、自然がもう少し身近だった古き良き日本の日常を切り取った佳作でした。  作曲の久石譲氏は、日本を代表する作曲家の一人と言っても過言ではないでしょう。そのリリカルなメロディを中心としたサウンドは、宮崎駿監督以外にも多くの映画のサウンドトラックでも聴くことができます。特に『ソナチネ』『KIDS RETURN』(北野武監督)、『ふたり』(大林宣彦監督)のサウンドトラックは、メロディアスなメインテーマやそのヴァリエーションなど、個人的にかなり好きな作品(作曲面で、かなり影響を受けました)。  全体にハネた、三連のリズムで弾きます(シャッフル)。ただし、楽譜の上側にevenと記された部分のみ、ハネずに弾くので注意しましょう。  この曲ではグライダー・カポ(写真)という、 演奏中に移動させることができる特殊なカポを5フレットに付け、 曲の途中([A2]直前)で6フレットに移動しています。グライダー・カポをお持ちでない場合は、途中でカポを移動させずに演奏することも可能です(詳しくは後述)。 写真1  音符の外側(棒や旗の側。この楽譜では上側です)に付いた黒点はスタカートを表し、付記された音を短く切ります。難しいようでしたら、はじめは音を切らずに練習し、慣れてきたら意識してみるとよいでしょう。  符頭が×になっている音は、ストリング・ヒットです。右手親指で弦を叩いて、打音を出します。また、そのまま指を弦に乗せておいて、次のピッキングで使うこともあります。  曲の構成としては3コーラス(3番)までありますが、3ページ目最下部・<カッコ2.>以降のメロディなどの違いは、オリジナルの歌に合わせたことによるものですので、難しい場合は1コーラス目(あるいはお好きなコーラス)を繰り返してもよいでしょう。 [Intro] [1] 右手でピッキングせず、左手だけで音を出します(左手の動作自体は、ハンマリング・オンと同じです)。難しい場合は、普通にピッキングしてもよいでしょう。 [2] ハンマリング・オンとプリング・オフの連続によるフレーズです。難しい場合は装飾音符(小さく書かれた音符)を省略して、「タータララタータ〜」ではなく「タータタータ〜」と弾いてもよいでしょう。 [3] 右手の小指がわ側面でブリッジあたりの弦に触れ、音を詰まらせる“ミュート奏法”で弾きます。 [4] 3弦2フレット・A音は、ダイアグラムでは左手中指で押弦するように記してありますが、届きにくければ左手人差指で押さえてもよいでしょう。その場合、次の6弦2フレット・E音は、左手人差指ではなく中指で押さえます。 [5] 2弦3フレット・D音は左手人差指の指頭で押さえ、続く1弦3フレット・G音はその人差指を寝かせて、部分セーハで押さえます。 [B] [6] ダイアグラムでは、左手人差指でセーハするように記してありますが、個別に押さえてもよいでしょう。その場合、1弦2フレット・F#音は左手中指(直前の1弦3フレットから移動)、4弦2フレット・E音は左手人差指で押さえます。 [C] [7] 続くBmのフォームの都合から、この時点で左手人差指を使って1〜5弦をセーハします。 [C2] [8] 1弦3フレット・G音を押さえたまま、6弦を移動して弾きます。特に6弦2フレット・E音は押さえにくいと思いますので、難しい場合は[C]4小節目のように弾いてもよいでしょう。 [Inter] [9] 先に書いたとおりカポタストを移動しますが、グライダー・カポを持っていない場合、あるいはカポタストを移動しない場合は、この小節の代わりに[Intro]10小節目を弾き、続けて[A2]を(カポタストの位置を変えずに)弾くとよいでしょう。 [10] このD#を弾いている間に、カポタストを5フレットから6フレットへ右手で移動しています。D#では直前に弾いた3弦開放・G音をしっかり消音して開放弦の音を止め、4弦と5弦を左手で押さえたまま、ギターの正面から右手でカポタストを6フレットへ上げます。 [C3] [11] TAB譜の下に>が付記された音は、スラップです。右手親指で弦を引っ掛け、はじくようにして弾きます。曲最後の6弦5フレット・G音も同様です。 [Ending]  YouTube演奏版のアレンジでは、[Intro]を繰り返しています。本楽譜の[Ending]が難しい場合は、YouTube版と同様、[Ending]の代わりに[C]4小節目、そして続けて[Intro]7〜10小節目を弾くとよいでしょう。 【音源】BSVD5025a 【録音日】2018年8月23日 【使用ギター】モーリス S-131M(南澤大介シグネチャー) 【使用弦】Wyres CP1456M 【カポタスト】Glider The Rolling Capo