==== Text encoding : UTF-8 ==== 涙そうそう [夏川りみ] Nada Sousou [Rimi Natsukawa]  森山良子さんとBEGINの共作で、森山良子さんのアルバム『Time Is Lonely』(1998)で発表されました。 その後BEGINも2000年にシングルで発売、 また夏川りみさんのカヴァー(2001)でも大ヒットしています。  拙作『ソロ・ギターのしらべ 天上の映画音楽篇2(リットーミュージック刊)』に収録したアレンジとは異り、ソロ・ギターのしらべ版ではノーマル・チューニング/カポ:5/プレイ・キー:C でしたが、本楽譜はドロップDチューニング/カポ:1弦空け2/プレイ・キー:G となっています。  チューニングはドロップDで、2フレットの2〜6弦にカポタストを付けています(写真1)。カポタストは1弦を空けておかなければならないのですが、片側から止める形であれば普通のカポタストが使えます(5本の弦だけを押さえる専用のカポタストも市販されていますし、バンジョー用のカポタストを使っても同じ事ができます)。ちなみに私はshubb社製の、普通の6弦用カポタストを使用しています。 <写真1>  TAB譜で1弦0フレットと記された部分([Intro]3小節目4拍目のE7など)は開放弦を表し、そのまま押さえずに1弦を弾きます。 [Intro] [1] 直前の6弦5フレット・G音によって、3弦開放・G音が共振している場合がありますので、余力があればE7(onG#)の時点で3弦を消音するとよいでしょう(G音が残っていると、6弦6フレット・G#音とぶつかって、音が汚くなる場合があります)。 [2] 難しいフォームですので、押さえにくい場合は2弦5フレットの代わりに1弦0フレット(カポタストを付けているフレット)を押さえて、E音を弾いてもよいでしょう(右図a)。あるいは、ベース音を6弦5フレット(G音)に変更しても構いません(右図b/この場合コードはG7になります)。 <図> [A] [3] 6弦開放・D音へのプリング・オフは、次のEへ移行しやすくするためのものですので、はっきりと音を出さなくてOKです。 [4] 1フレットのセーハは、楽譜では2〜4弦を部分セーハし、メロディが2弦開放・B音を弾く時点でセーハを離すように記してありますが、可能であれば1〜3弦部分セーハにし、2弦開放・B音を弾く時点で指頭を3弦1フレット・G#音に残してセーハを起こすと、伴奏であるG#音の響きが途切れずにすみます。[B] 9小節目(p3・2段目の1小節目)、Coda4小節目(p4・3段目の2小節目)も同様。 [5] 右手親指の側面で、3〜6弦を消音しています。消音が難しい場合は、コード(G)を響かせたままでも構いません。 [B] [6] Dm(onF)で押さえたフォームをそのまま2フレット上げて、Gへ移行します。 [7] この小節は2回目(セーニョ時)のみ、カッコで括られた部分を弾いています。 [8] □で囲まれた1弦0フレットは、 開放弦を弾くのではなく0フレット(2フレットカポと同じフレット位置)の、 空いている1弦を押さえます(写真2)。 <写真2> [9] 伴奏がメロディより高い音域に行きますので、強く弾きすぎないように注意しましょう。 [10] 少しだけテンポを遅くしていきます。次の[Inter]からは、元のテンポに戻ります。 [A2] [A]に比べて、メロディが1オクターブ高くなっています。ビブラートは、メロディを押さえた指だけで行うのではなく、押弦した左手自体を揺らします。 [11] メロディは、左手小指を移動して押さえますが、2弦5フレット・E音を離す時に余計な音が出ないよう、注意しましょう。 [12] カッコ1の1小節目とはコードが異なります。難しい場合は、カッコ1と同じように弾いても構いません。 [13] ここまで演奏したら、[B](p2・3段目の1小節目)に戻ります(ダル・セーニョ)。その後、[Inter]へ行かずにCodaへ跳びます。 Coda [14] 6弦開放・D音へのプリング・オフは、次のCへ移行しやすくするためのものですので、はっきりと音を出さなくてOKです。ただし、リズムを取るために、4拍目のウラをしっかり意識して離すようにしましょう。次の小節も同様です。 [15] 少しだけテンポを遅くしていきます。次の[Ending]からは、元のテンポに戻ります。 【音源】BSVD4004a 【録音日】2014年8月28日 【使用ギター】モーリス S-121sp 【使用弦】Wyres CP1456M 【カポタスト】Shubb C1