==== Text encoding : UTF-8 ==== Those Were The Days [Yumi Arai] あの日にかえりたい [荒井由実]  荒井由実(現・松任谷由実)さんが、1975年のTVドラマ「家庭の秘密」主題歌として書き下ろした楽曲です。同年、6枚目のシングルとして発売され、翌年にはベスト・アルバム『YUMING BRAND』にも収録されました。  本楽譜は基本的に、『ソロ・ギターのしらべ 愉楽の邦楽篇』収録のアレンジ(以降“ソロギ版”)に間奏([Inter])と後奏など(Coda以降)を加えたものですが、他にも多少の変更点があります。これらには、楽譜の下側にグレーの太点線を付記してありますので、同書をすでにお使いの方は参考にして下さい([Intro]4小節目・Em7など)。ただし、音価(音の長さ)の修正など、表記方法が違うだけで演奏上の変更が無い部分については、グレーの太点線は付記してありません。  符頭が×印の音符は、ストリング・ヒットを表します。弦に右手指を叩く感じで乗せて、音を止めると同時に打音を出しています。指はたいていの場合そのまま弦に乗せておき、次に同じ弦を弾く時に、その乗せた指でピッキングします。 [Intro] [1] 打音は、右手親指でギターのボディ、サウンドホールの上あたりを叩いています。 [2] 次に弾くのは5弦なので、ストリング・ヒットは右手親指の指頭が5弦に来るようにし、6弦は直前に弾いたベース音を止めるために親指側面で叩いています。また3〜4弦も直前の音を止めるために、右手中指(3弦)と人差指(4弦)で叩いています。 [3] 可能ならば、ハンマリング・オン時に少し指を寝かせ、4弦開放に触れて消音するとよいでしょう。 [A] [4] この小節は2コーラス目のみ、カッコで括られた部分のように弾いています。ただしこれは、メロディをオリジナルの歌の譜割りに合わせたための違いですので、面倒な場合はどちらかに統一して、2回とも同じように弾いてもよいでしょう。 [5] 直前で弾いていた6弦2フレット・E音は、4弦のスライド時に音を止めますが、押弦した指を離すと開放弦の音が出てしまうので、押さえた指を緩めて触れたままにし、4弦のスライドに合わせて左手全体で6弦4フレットへ移動するとよいでしょう。 [A2]  最後の部分は[A]とメロディが異なります。また、メロディが同じ箇所でも[A]とコードが違うところもありますので、注意しましょう。 [6] この小節は2コーラス目のみ、カッコで括られた部分のように弾いています。ただしこれは、メロディをオリジナルの歌の譜割りに合わせたための違いですので、面倒な場合はどちらかに統一して、2回とも同じように弾いてもよいでしょう。 [B] [7] “ソロギ版”では指が届かないという声も多かったので、難しい場合は下の譜例のように弾いてみて下さい([B]2小節目後半〜カッコ1.3.2小節目)。続く、カッコ2.4.なども同様です。 譜例:[B]2小節目後半〜<カッコ1.3.>2小節目・別案 [8] 左手人差指の、直前の2弦1フレット・C音からの移動が難しい場合は、3弦2フレット・A音と4弦1フレット・D#音を省略してもよいでしょう。そうすれば、左手人差指による1フレット部分セーハが無くなり、人差指は指頭で2弦1フレット・C音だけを押さえればOKです。 [Inter] [9] 波線矢印と「Ras.」は、ラスゲアドを表しています。ダウン・ストローク時に、右手の小指から順に少しだけ時間差をつけて、ジャラララーンと弾き下ろす奏法です。ここでは強く弾かず、柔らかく行います。 [10] ここまで演奏したら、[A]に戻ります(ダル・セーニョ)。そして[B]の最後から2小節目(p4・2段目最後)を終えたら、Codaへ跳びます。 [B2] [11] [B]とはメロディの譜割りが異なります。ただしこれは、オリジナルの歌に合わせたための違いですので、面倒な場合はカッコ1の1小節目(=[B]カッコ2.4.)と同じように弾いてもよいでしょう。 [12] この直前まで、6弦2フレット・E音は左手人差指で押さえていましたが、続くグリッサンドの都合から、ここで左手薬指に押さえ替えます。2、4小節目後も同様です。 [13] 2〜4弦のハーモニクス・ポイント(7フレット)に触れる時は、1弦に触れないよう注意しましょう。左手人差指をセーハの形にするよりも、指頭で4弦→3弦→2弦の順に、1本ずつ弦に触れる方がよいかもしれません。 [Ending]  1〜5小節目とカッコ2・1〜2小節目は、[Intro]と同じです。 [14] YouTubeの動画(2012.1.10up)では、右図のようなフォームでAmを弾いていますが、ノン・カッタウェイ・タイプのギターでは弾きづらいとの声がありましたので、違うフォームにしてみました(どちらで弾いても構いません)。 図版 [15] レフト・ハンド・ストロークによるプリング・ハーモニクスです。右手人差指の親指がわ側面で1〜3弦12フレットに触れ、左手はハンマリング・オンの後で7フレットあたりに移動し、3弦からダウン・ストロークしています(写真)。難しければ“ソロギ版”と同様、左手はハンマリング・オンの後もそのまま押さえておき、右手人差指で12フレットに触れて右手薬指で1〜3弦をダウン・ストロークしてもよいでしょう。 写真 【音源】BSVD4002a 【録音日】2018年8月3日 【使用ギター】tupli argo #077(南澤大介カスタム) 【使用弦】Wyres CP1456M 【カポタスト】スタカポ SNAP50Bi-T Pro3